社会価値



エプソンは、社会価値に関する社会支援活動として、地域貢献、医療・福祉、教育・文化の分野に取り組んでいます。

地域貢献

時計組立教室の開催(日本)

当社の歴史は、大和工業という時計工場から始まりました。長年培ってきた時計製造の技術と、それを扱う匠を有しています。
地域の小・中学生を対象にした時計の組立教室の開催を通して、ものづくりの楽しさや面白さを体験していただいています。受講した子どもたちは、「腕時計にあんなに小さくて細かい部品が入っているなんて知りませんでした。小さい穴に部品を入れるのは難しかったけれど、やさしく教えてくれたり、手伝ってくれたりして、とてもうれしかったです」と達成感を味わうとともに、地域産業への理解を深めていました。

スワコエイトピークス ミドルトライアスロン大会を支援(日本)

2022年より、この大会を支援しています。この大会は諏訪湖周辺エリアから八ヶ岳山麓エリアを巡る約88kmを駆け抜ける大会です。
当社は技術面においても、センシング技術を活用したGPSを提供して、選手が「今、どこを走っているか」を見える化し、安心・安全な大会を支えています。

2025年度大会

2025年度大会


各地域の花火大会への協賛(日本)

当社は、地域社会の活性化支援のために、各事業所がある地域の花火大会に協賛しています。諏訪地域、塩尻、安曇野、箕輪、別府などです。
そのうち、本社事業所を置く長野県諏訪市で開催される諏訪湖祭湖上花火大会には1956年から協賛しています。湖上ならではの水上大スターマイン、周りの山々に響き渡る迫力ある花火の音など、圧倒的なスケールで花火の醍醐味を味わうことができます。この全国屈指の花火大会は、諏訪地方を代表する夏の風物詩のひとつです。

医療・福祉

障がいをもつ子どもたちとの交流(シンガポール)

Epson Singapore Pte. Ltd.(ESP)社員のボランティアが、レインボーセンター(療育施設)のスタッフと協力し、障がいをもつ子どもたちの公園への遠足をサポートしました。私たちにとって、子どもたちとコミュニケーションをとり、親しくなるさまざまな方法について学ぶことができた、刺激的な一日でした。
私たちは誰もが安心して自分らしくいられる環境を作り出し、ともに成長していくことを目指しています。

「290日社会貢献活動」の実施 (ドイツ)

Epson Deutschland GmbH(EDG)は、2008年度から「290日社会貢献活動」に取り組んでいます。この活動では、約290人の社員全員がそれぞれ自分の都合の良い日に1日有給休暇を取り、EDGが所在するメアブッシュ市周辺の社会福祉施設や教育施設でボランティアを行い、地域社会に貢献しています。
活動は多岐にわたっています。2023年度は、特別な教育支援が必要な子どもたちのために校庭におもちゃを保管する倉庫を建設したり、河川敷の清掃、高齢者の方の家事手伝い、動物愛護団体の厩舎の修繕、困っている方たちを支援するためのノートパソコンの寄付などを行いました。

プロジェクションによる映像表現を活かした「ゆめ水族園」の実施(日本)

当社は2015年から、全国の病院や特別支援学校などに、プロジェクションによる映像表現を活かした映像空間「ゆめ水族園」をお届けしています。「ゆめ水族園」はファンタスプロジェクション(Fantas Projection)をベースに、映像、音楽、揺れるスクリーンを組み合わせ、やわらかな空間を作り、視覚、触覚、聴覚などを通じて豊かな感覚刺激体験をお届けする活動です。2024年度は全国7施設で実施し、計2,222人に体験していただきました。運営には社内公募に応じた社員が参加し、会社は社員が業務として取り組むことを支援しています。近年では、コロナ禍により社員の施設訪問が困難な中、機材(Fantas Car:移動型映像投映車)の貸し出しを実施しています。貸出期間中、各施設が独自に工夫しながら有効にご活用いただき、2024年度は全国37施設で、計9,987人に体験していただくことができました。
施設の皆さんやご家族からは、「投映する映像に手を伸ばしたり笑顔を見せてくれたりした」「病院から出ることが難しい子たちが、病院内で非日常的な体験ができ、素敵な思い出になった」など、多くの感想をいただきました。また、2024年度からは新しい機材貸し出しのプログラムとして、「ゆめ水チャンネル」を開始しました。ゆめ水族園の動画コンテンツをネットワーク経由で利用できる動画配信サービスとなっており、プロジェクターをお持ちの方であれば簡単な接続で「ゆめ水族園」の映像をご利用いただけます。
当社は今後も様々なかたちで、全国に「ゆめ水族園」をお届けしていきます。


献血活動への協力(世界各地) 

エプソンでは、社員を対象にした献血活動を毎年実施しています。

日本

インドネシア

米国

中国

教育・文化

子どもたちへの教育支援(インド)

Epson India Pvt. Ltd.(EPIL)は、未来を担う子どもたちへの教育が重要であると考え、経済的に困難な子どもたちに焦点を当てた支援活動を行っています。過去数年にわたり、EPILが所在するインド南西部のカルナータカ州、南部のタミル・ナドゥ州、北部のウッタル・プラデーシュ州、西部のマハーラーシュトラ州の子どもたちが通う公立学校へ書籍やノート、リュックサックなどを配布する活動をしており、その配布先の学校数は年々増えています。2024年度は539校、42,480名に配布しました。子どもたちからは、「学校で使う本やノートをもらい、勉強の役に立っています」と喜びの声を頂いています。

文化服装学院とともにデジタル捺染で描く、持続可能なファッションの未来(日本)

当社は、環境負荷を配慮したデジタル捺染(なっせん)技術を活用し、持続可能なファッションの普及に貢献するため、2022年度より文化服装学院(東京都)と正式に連携したCreative Support Projectを展開しています。この取り組みでは、未来のデザイナーたちが最新技術を学び、オリジナルデザインの作品制作に取り組む実践の場を提供しています。
アパレル業界では、テキスタイルのサプライチェーンにおいて全素材の約35%が廃棄物になると推定されており*1、さらに世界の産業排水の約20%がテキスタイル産業から排出されている*2という深刻な環境課題があります。
こうした課題に対して、デジタル捺染技術は次のような特徴があります:

  • 必要な分だけ、必要なときにオンデマンドにプリントする
  • 版の作成が不要で水を使った洗浄工程もないため、プリント工程での水使用量を大幅に削減

学生の皆さんには、長野県諏訪郡富士見町にある当社の施設「ソリューションセンター富士見」を訪問していただき、最新技術に触れながら、環境に配慮した工程を学び、オリジナルデザインの布プリントを体験。卒業制作に向けたこだわりを追求した作品づくりに活用しています。
「イメージした色が再現できなかった」、「何度もプリントし直して生地を無駄にしてしまった」など、学生の悩みに対して、技術者が丁寧に寄り添いながらデジタル捺染の強みを活かし、制作を支援しています。
エプソンはこれからも、未来のデザイナーの夢を応援し、持続可能なファッションの実現に向けて取り組んでいきます。
活動の様子はこちらからご覧いただけます:

『エプソン×文化服飾学院』2022年度ファッション高度専門士科卒業制作サポートプロジェクト(youtube.com)


*1 World Bank (2019) How Much Do Our Wardrobes Cost to the Environment? (accessed 30 Sept. 2025)
*2 Papamichael I et al. (2023) The perception of circular economy in the framework of fashion industry. Waste Manag Res. Feb;41(2):251-263.

公益財団法人 エプソン国際奨学財団 (日本)

公益財団法人エプソン国際奨学財団は、世界各国・地域から日本の大学院へ、また日本から海外の大学へ留学する優秀な学生に対して奨学金助成を行っています。この奨学金支援は高い志を持って留学する学生たちに学びに集中する時間を与え、学ぶ意欲を後押しすることを目的としています。このことにより、より多くの、異文化環境においても相互理解を積極的に推進し、国際社会の安定と発展に貢献できる有為な人材の育成を目指しています。
同財団は1997年に設立され、これまでに323名の留学生(現奨学生含む)を支援してきました。同窓生は世界各地・各界で活躍しています。奨学生や同窓生の相互交流のため、採用式、セイコーエプソン会社見学会、同窓会入会式、同窓会などの行事も行われています。
また同財団ではこの他に、工学系の若手研究者への研究費助成、国際学術会議への参加費助成などの支援事業も行っています。

エプソン国際奨学財団

2024年度エプソン会社見学会(於:本社)

2024年同窓会


エプソン情報科学専門学校 (日本)

当社は、地域社会に信頼され広く社会に貢献できる技術者を育成することを目的として、1989年にエプソン情報科学専門学校を開校しました。今日までに、3,000人を超える技術者が世の中に送り出されています。その中には当社で活躍していただいている方もいます。
講師陣の多くは、当社を含め企業の最前線で活躍してきた技術者・開発者で構成されています。カリキュラムは、実務に活かせる確かな技術を身につけられるよう組み込まれています。学科は、情報システム科・情報電子機械科・情報ビジネス科の3学科で構成されており、全ての学科において、文部科学省「職業実践専門課程」の認定校となっています。


「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」を支援(日本)

当社は、1992年の立ち上げから「セイジ・オザワ 松本フェスティバル」を継続支援しています。
このフェスティバルは、世界中から一流の音楽家が集まり、質の高い演奏を披露します。オーケストラコンサート、室内楽、オペラなど、さまざまなジャンルの音楽を提供しています。
子ども向けのプログラムも充実しており、長野県内の小学6年生、中学1年生、聾学校、盲学校、養護学校を対象に「子どものための音楽会」や「子どものためのオペラ」等が企画され、毎年約13,000名を招待しています。この教育プログラムは、子どもたちが生のオーケストラを聴く貴重な機会となり、音楽に興味を持つきっかけとなっています。

©大窪道治